空家・空室の漏電火災
空気が乾燥する時期は、火災が発生しやすくなりますが、誰も住んでいない空き家から失火して火災が起こるケースがあります。
空き家の火災の原因は放火によるものが多いのも事実ですが、実は漏電が原因で火の気のない空き家から失火し、火災が発生するということも案外多いのです。
空き家が火事になると、近隣住民にも大きな被害を与えてしまいますので、漏電していないかしっかりと確認する必要があります。
※ 漏電とは、電線や電気機器の絶縁の不具合により、本来流れるはずのないところに電気が漏れて流れてしまうことです。
分電盤には漏電ブレーカーがあり、この漏電ブレーカーが落ちている場合は、漏電が発生していると考えられます。
漏電ブレーカーが落ちている場合は、すみやかに専門業者に点検を依頼しましょう。
また、漏電ブレーカーを用いて漏電を確認する方法もあります。
アンペアブレーカーが「入」になっているのを確認し、配線用遮断器を全部「切」にします。
漏電遮断器を「入」にして、配線遮断器をそれぞれひとつずつ「入」にしていき、そのときに漏電遮断器が「切」になったら、その回線で漏電が発生しているということになります。
空き家の電気・漏電管理
空き家には誰も住んでいないから、電気は必要ないと思う方も多いようですが、空き家を適切に管理するためには、電気は必要です。
空き家で掃除をするときには掃除機を使用しますし、掃除するときには照明も必要です。
空き家管理には電気は必要ですので、安易に電気契約は解約しないほうがよいですが、
24時間電気供給が必要な家電などがない場合は、空き家のメインブレーカーを「切」にしておけば、漏電することはないため
漏電による火災を防ぐことができます。
掃除をするときなど、電気を使いたいときに、ブレーカーを入れて使用しましょう。
空き家のメインブレーカーを落としておけば、電気代の節約にもつながります。
空き家で漏電が発生してしまう原因は、設置している電化製品や絶縁体が劣化していることです。
絶縁体である電気ケーブルの寿命は、15年〜20年ほどといわれています。
また、回線の耐用年数は、一般的に30年〜40年といわれており、空き家は築年数の古い住宅が多いため、注意が必要です。
回線の老朽化や劣化以外にも、空き家で漏電が発生する理由があります。
放置された空き家には、ネズミなどの害獣が住みついてしまうことがありますが、ネズミが電気回線をかじってしまい、漏電、ショートし、火災が発生してしまうのです。
空き家にネズミが侵入したり、住みついたりしないように、しっかりと害獣対策を行うことも必要です。
また、漏電し、ショートした際に火災が発生してしまうのは、燃えやすいものが側にあるからです。
回線がむき出しになってしまうと、火花が発生し、柱や天井板に火花が飛び散って、火災が発生してしまうこともあります。
空き家の屋根が劣化していると雨漏りが発生して、住宅の老朽化を進めてしまうのですが、雨漏りが原因で、漏電によりショートした火花の勢いが増し、発火して火災が発生するというケースも発生しています。
空き家のブレーカーや漏電ブレーカーが正常に作動しているかも、定期的にチェックすることも重要です。
空き家の漏電や、漏電による火災を防ぐためには、回線を正常な状態にキープしておくことがポイントです。
・害獣対策など、しっかりと空き家の管理を行うことで、漏電を防ぐことが可能。
・漏電ブレーカーや分電盤自体が劣化していて故障している場合は、新しいものに取り替え。
法律上は空き家の失火の場合、損害賠償責任を負わないとされているが・・・
明治32年にできた「失火責任法」には、失火の場合には民法709条(損害を賠償する責任について定めた民法)を適用しないことが明記されています。しかし、この空き家に「重大な過失」があった場合には、損害賠償を負う可能性があります。
こうした空き家の管理の解決策は主に以下の4つです。
- 家族による維持管理
- 賃貸
- 売却
- 管理会社へ管理を委託